ミネラルウォーターは農林水産省が定める「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」に従うと4分類にすることが出来ます。
1、ナチュラルウォーター
特定の水源(水質、水量において安定した地下水の供給が可能な単独水源のこと)から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・ 化学的処理を行わないものは「ナチュラルウォーター」の分類に入ります。
2. ナチュラルミネラルウォー ター
ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地 下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有 する地下水を含む)をいう。)を原水としたものは「ナチュラルミネラルウォー ター」の分類に入ります。
「ナチュラルミネラルウォー ター 」が下記に該当する場合の表示義務
●二酸化炭素圧力が摂氏 20 度で 1.0kgf/c ㎡未満であって、殺菌又は除菌(濾過等により原 水等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育しうる微生物を除去することをいう。)を行わないものにあっては、殺菌又は除菌を行っていない旨を表示すること。
●ナチュラルミネラルウォーターのうち発泡性を有するものにあっては、二酸化炭素を含有 している旨を表示すること。
3. ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラル の調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているものは「ミネラルウォーター」の分類に入ります。
「ミネラルウォー ター 」が下記に該当する場合の表示義務
●ミネラルの調整(ナチュラルミネラルウォーターの年間の品質を安定させるために加工助剤としてミネラルを使用すること及びフレークス防止のために一部ミネラルを除去すること をいう。)を行ったものにあっては「ミネラル調整」と、ばっ気を行ったものにあっては「ば っ気処理」と、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合を行ったもの にあっては「ナチュラルミネラルウォーター混合」と処理方法を記載すること。ただし商品 の説明、特性等を記載した文中に処理方法が明記されている場合はこの限りではない。
4.「飲用水」又は「ボトルドウォーター」
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外の ものは、「飲用水」又は「ボトルドウォーター」の分類に入ります。
「天然水」の表示ができるもの
良く混同してしまいがちなのが「ミネラルウオーター類」 と「ミネラルウオーター」です。「ミネラルウオーター」は「ミネラルウオーター類」の4分類の一つであるわけです。
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウオーターには、「自然」・「天然」の用語及びこれに類似する用語が使用できますが、それ以外のものには使用できません。つまりのところ「天然水」と表示できるのは、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウオーターだけということになります。
原水の種類
「農林水産省/ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン 」には、「ミネラルウオーター類」の原水の種類が記述されています。
1.浅井戸水:浅井戸からポンプ等により取水した地下水
2.深井戸水:深井戸からポンプ等により取水した地下水
3 湧水:不圧(自由面)地下水、被圧地下水の区分によることなく、自噴している地下水
4.鉱泉水:自噴する地下水のうち水温が 25℃未満の地下水であり、かつ、溶存鉱物質等によ り特徴付けられる地下水
5.温泉水:自噴する地下水のうち水温が 25℃以上の地下水、又は、温泉法第2条に規定され る溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち飲用適のもの
6.伏流水:上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水
7.鉱水:ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水
出典:以上、農林水産省/ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン
安全、安心のおいしい水を飲もう
上記より「水」を選択するとなると、どうしても、自然のものをそのまま飲みたいということで「天然水」の方に目が行ってしまいがちですが、天然の水を飲む場合に気を付けなければならないのは、「雑菌」の有無と「有害物質」の有無だと思います。
登山等で湧水をたまに飲むことがありますが、これが毎日飲むということになりますと、やはり水質検査をした、安全性の確認された水を飲むと思います。
「天然水」でも、「雑菌ゼロ」という水もありますし、「有害物質」の混じっていない水もあります。しかしながらそうでない水もあるわけです。
そうゆう場合、採水者が殺菌をどのように行っているのか、有害物質をどのようなフィルターで除去しているのか、水質検査が適切におこなわれているか等の採水者の衛生管理、水質管理の取り組み姿勢と、宅配した場合のサーバーの衛生面からのメンテナンス等も大事になってくると思います。
だいぶ前に、水道蛇口に取り付けた浄水器に雑菌が繁殖しているという報道がなされ、話題になりましたが、水道蛇口等に取り付ける浄水器は使わない時間が長いため、空気とふれあい雑菌が発生しやすいのは確かです。そこで、浄水器の定期的取り換えと、取り付け部の殺菌・掃除が不可欠となります。最近では、空気接触を避けるため、水道配管に浄水器を着脱式で組み込んだものもあります。これはボトル交換式ウオーターサーバーにもいえることで、ボトルの取り付け口は空気に触れますので、こまめな殺菌とお掃除は不可欠で、サーバー等選択する場合には、宅配業者のメンテナンス体制が整っているか、自分でやる場合のお手入れがしやすくなっているかも加味する必要があると思います。
浄水器やサーバー導入の目的は、「安心して飲めるおいしい水」にあると思いますので、価格やデザイン面だけに心を奪われないで、毎日飲む水ですからなおさら「安心して飲めるおいしい水」にこだわっていただきたいと思います。
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