水の構造

水の構造

水素原子

水分子H2Oは水素原子2個と酸素原子1個が結びついたものです。水素原子の構造は、原子核の周りを1個の電子が回っている構造であらわされています。

酸素原子

一方酸素原子は、原子核の周りを8個の電子が回っている構造で表されます。 原子核の周りを電子が回る軌道を「殻」といいますが、原子核に一番近い電子の軌道を「K殻」といい、このK殻には電子が2個まで入ります。「K殻」の外側の軌道を「L殻」といいますが、ここには電子が8個まで入ります。さらにその外側を「M殻」といい18個の電子が入ります。 通常、酸素原子には、「K殻」に2個、「L殻」に8個の電子が入れることになっていますが、実際には「L殻」には6個の電子しかはいっていません。それも2個の電子がペア(対)を組んで入っている孤立電子対が2組、残り2個の電子は不対電子として各々独立して入っています。 酸素原子の外側の電子軌道「L殻」には、通常は6個の電子が存在していますが、本来は8個の電子の席があり、8個入った時に最も安定します。単独で8個の電子が入るというよりは、他の原子と結合するときに他の原子の電子をここに取り込み、しかりと結合する役目を果たしています。2個の電子空席が存在していますので、酸素は他の元素から電子を奪いL殻を8個の電子で満杯にし、他の原子にも自分の電子を共有させしっかりと結びつきます。 酸素原子は気体として存在するときは、単独で存在することはありません。2個の酸素原子が持っている不対電子を相互に共有した形で結合して酸素分子の状態で存在しています。この結合を共有結合といいます。酸素分子は共有結合により安定して存在してますが、本来電子2個ずつ入る席に1個づつしか入っていないわけですから、周りから電子を奪おうとします。この性質のため酸素はほかの原子と結びつきやすくなっています。結びついて酸素化合物を作ります。例えば鉄が錆びやすいのは、鉄が酸素と結びつき酸化されるからです。

水分子

水素原子はその電子軌道に2個の電子が、酸素原子は外側の軌道に8個の電子が入った状態が一番安定します。この特性により、水素2個と酸素1個の強い結び付きである共有結合が生じるのです。相互に電子を貸し借りして帳尻を合わせ、しっかりと結びついているのです。 水分子は1個の酸素原子と2個の水素分子がお互いの電子を共有する形で結合したものです。

上記モデルからもわかりますように、水素原子2個の電子は酸素との共有結合部分に引き寄せられますので電子の存在確率に偏りが生じてきます。このため各々の水素原子の共有結合部の反対側は弱いプラスの帯電状態となります。また、酸素原子の外側電子軌道L殻の2組の孤立電子対は水素原子と反対方向に存在する確率が高くなりますので、各々の「孤立電子対部」がマイナスの帯電状態となります。これが水分子同士の新たな4つの結合を生みだすことになります。水分子のプラスに帯電した水素原子部2か所に、他の2個の水分子のマイナスに帯電した「孤立電子対」部が引き寄せられ、マイナスに帯電した2箇所の「孤立電子対部」には他の2個の水分子のプラスに帯電した水素原子部が引き付けられ結合することになります。これが水素結合と呼ばれるものです。水素結合の結合力は、帯電状態が弱いので、弱い結合となります。

水のクラスター

水の分子式はH2Oで、2つの水素原子Hと1つの酸素原子Oで形成されています。
水分子は、弱い極性をもっています。この極性により1個の水分子に4個の水分子が連なる水素結合をします。この水素結合は、1秒間に1兆回ほど切れたりつながったりするスピン運動状態で存在している考えられています。水分子が氷のような固体の結晶になったり、4°Cで最大密度をもつたりするのはこの水素結合によるものと考えられています。
水は単独の分子で存在しているのではなく、水の分子が集まってブドウの房のようなクラスターを形成しています。ちなみに水道水は10~15の水分子の集まりといわれています。クラスターはそれほど強い力で結合しているわけではありませんので、何らかのエネルギーがクラスターに加えられると、より小さなクラスターに分解されます。
クラスターが小さくなると、当然のことですが、吸収力や浸透力は高まります。
小さくなると飲んだ時、各種臓器も水を吸収しやすくなりますし、浸透しやすくなります。
一般的に私たちの味覚は、クラスターが小さい水のほうがおいしく感じるようです。水に溶け込んでいるミネラル分も取り込みやすくなります。

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