中小企業の承継4タイプ
「親族内承継」「従業員への承継」「M&A等第三者への承継」「廃業」
「親族内承継」「従業員への承継」「M&A等第三者への承継」「廃業」
の4つに大別できます。
親族内承継
35~40年前の親族内継承は93%もありましたが、0~5年前になると親族内継承は34%まで落ち込んでいます。(経済産業省「事業承継に関する現状と課題(平成28年4月)」)
従業員への承継
5~40年前まで、従業員承継が4%だったのが0~5年前になると従業員承継 が26%まで伸びています。(経済産業省「事業承継に関する現状と課題(平成28年4月)」)
M&A等第三者承継
35~40年前まで、M&A等第三者承継は4%だったのが、0~5年前になるとM&A等第三者承継は39%まで伸びています。(経済産業省「事業承継に関する現状と課題(平成28年4月)」)
M&A支援企業
廃業
子息・子女・親戚に後継者が見つからず、従業員にも適当な人がいなくて、M&Aにも踏み切れず、仕方なく廃業を選択される経営者が年間数万人いると言われています。
M&A会社売買
会社全体を対象としたM&Aです。
M&A事業部門
会社の一部門を対象としたM&Aです。好調な部門を売却して、会社全体に資金が回るようにするといった再構築的戦略M&A、廃業する前に売却できる部門は売却してしまおうという撤退戦略的M&A、会社の低採算部門を分離してレベルアップを図るM&Aで、売る側では採算性が低くても、買う側で欲しい部門であればM&Aは成立します。
少し経路は違いますが、WEBサイトのM&Aも多くなってきています。この部門の売却を考えておられる方はウェブサイトの売買・M&Aにコンタクトしてみてください。
中小企業の承継問題
高齢化の波は中小企業経営者にも及び、経営者の平均年齢は上昇傾向にありますが、中小企業における承継問題は、決してスムーズではなく、特に資本金1億円未満の企業において、その傾向は顕著に表れています。
某社の「承継アンケート」によると、回答中小企業経営者のうち95.1%が、廃業ではなく「何らかの形で引き継ぎたい」との回答で、4.9%の経営者が廃業を希望しているとの回答だったようです。中小企業の多くの経営者が、経営者交代をスムーズに行っていないものの、何らかの形で事業承継を望んでいることがわかります。
4.9%の経営者の廃業希望の理由は、
①債務超過状態企業では「会社の経営状況が厳しいため」
②財務状況が良い企業では「適切な後継者が見当たらないため」
③債務超過にない企業では「市場の先行きが不透明であるため」
という理由だったようです。
事業承継を望む中小企業で
①後継者を既に決めている企業は44.0%
②決めてはいないが候補者はいる企業は37.1%
③後継者がいない企業は18.9%
だったようです。
廃業希望企業の廃業理由に「適切な後継者が見当たらない」があり、事業承継を望む中小企業の中にも後継者がいない企業が18.9%あったようで、両方を合算すると約23%の企業で「後継者がいない」という実態が浮かび上がってきます。
中小企業では世襲で承継されることが多いのですが、後継者の決定要因としては「血縁・親戚関係」よりも「経営能力」を重視している傾向があります。
ところが、中小企業では会社の所有と経営が十分に分離されておらず、経営者に株式の過半が集中しているのが常態で、優秀な役職員に「代表取締役社長」の席を譲っても事業承継にはなりにくいのが実態です。先代経営者が議決権を支配するオーナーで、現経営者が雇われサラリーマン社長という図式になるだけだからです。
それでも、オーナー存命のうちは経営に支障はきたさないでしょうが、オーナーが亡くなり、株式の相続が発生した瞬間に問題が生じます。会社の株はオーナー一族に相続されるからです。
中小企業経営者は、会社議決権(株式)の相続に伴う混乱を回避しようと思ったときは、後継者に「代表取締役社長」の席を譲ると同時に、自身の持株も譲る必要が出てくるのです。ところが、通常の場合、役職員は自社を買収できるほどの資金を持っておらず、金融機関から買収資金を調達できる当てもないわけですから、血縁関係にない自社の役職員を後継者にすることはかなり難しい事なのです。
子息・親族の後継者もおらず、社内に自社を買い取れる役職員もいない場合、他の会社に自社を買収・合併させる(M&A)か、社外の第三者に自社を買い取らせて経営者として入ってきてもらうのも、事業承継の手段としては有力な選択肢となり得ます。
中小企業の後継問題、事業承継は、大きく分けると下記の4つに分けられます。
親族内事業承継 従業員への事業承継
M&Aや第三者への承継 廃業
中小企業のM&A
近年、中小企業経営者の事業のやめかたに、廃業ではなくM&Aを選ばれているケースが増えてきています。自分以上に情熱を注いでくれそうな会社や個人に売却するれば、事業は継続され、自分はやめても従業員はそのまま残り働ける場合が多いからです。従業員に責任を感じている経営者ほどその道を選ばれているようです。
M&Aがよくわかる中小企業庁財務課発行「事業引継ぎハンドブック」
中小企業庁財務課発行の「事業引継ぎハンドブック」に、中小企業事業の事業承継、中小企業M&Aの利用の仕方等がわかりやすく書かれています。後継者難に直面する中小企業者の皆さんに一読をお勧めします。
読売新聞2020.7.18発刊の8面に「後継者悩む中小 情報公開へ」という上記説明記事が紹介されていましたが、その関連記事として、「経営者が70歳以上で後継者が不在の中小企業が2025年には127万社達し、このうち60万社は黒字でも廃業する恐れがある」という政府推計が掲載されていました。2016年6月の中小企業庁事業環境部企画課調査によりますと、中小企業・小規模事業者の数は357.8万者(社)ですから年度を度外視して比較すると実に35%が後継者不在で悩んでいることになり、16.7%の黒字中小企業が廃業の恐れがあることになります。問題は黒字でも廃業の恐れのある後継者難の中所企業があるというところだと思います。友好的中小企業のM&Aをいかに推進していくかは、雇用維持の観点からも重要な課題となりそうです。