廃業の問題点と対策
子息・子女・親戚に後継者が見つからず、従業員にも適当な人がいなくて、M&Aにも踏み切れず、仕方なく廃業を選択される経営者が年間数万人いいらっしゃるようです。
年齢が高くなるほど、事業売却やM&Aに抵抗感を感じている経営者が多く、事業売却を行うよりは廃業を選ばれているようです。理由は、 一番多いのが「自社の事業が売却できるとは思えない」、二番目が「事業売却に見合う収入が見込めない」ということのようです。
加えて年齢が高いほどM & Aに対するイメージが悪く、敵対的TOBとか、TVとかで騒がれた買収事件とかで「乗っ取られる」等を連想されるようですが、現在の中小企業のM&Aが敵対的ではなく、友好的であるという実態を把握され、簡単にあきらめないで、利用してみれば案外活路は開けてくるものと思います。
「自社の事業が売却できるとは思えない」と思っておられる企業のうち、実に75%が債務超過でない企業だそうですから十分に企業価値はあると考えることができます。これは、事業売却に関する情報が不足していて、最初から事業売却するという観念がなく、廃業を検討しているのではないかとも思われます。
仕方なくとはいえ、廃業はデメリットの多い手段ですから、できれば避けたいものです。
長く共に働き、苦楽を共にしてきた従業員も解雇せざるをえなくなりますし、そうなったと時の従業員の今後の身の振り方を考えてやらなければならなくなります。退職金や慰労一時金等も必要になります。従業員を大事にしてきた経営者であればあるほど、割り切れないものが残るはずです。また、負債がある場合、負債が経営者に残り続ける場合もあります。
事業売却は、財務状況が良好であれば、規模の小さい大きいは関係なく、企業価値のある活用可能な手段となりえますから、事業売却についてもう少し勉強してみるのも廃業回避の有効な手段となるかもしれません。もし、M&Aを検討していない経営者の方は、もう一度検討されることをおすすめします。
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