後継者のいない中小企業のM&A

後継者のいない中小企業のM&A

買い手企業がM&Aしたい理由とタイミング

自社のこの部門を強化拡充すればさらに成長できる、新規事業に参入出来るといった時、M&Aは有力な強化拡充の手段となります。どんな部門も一朝一夕には出来ません。人材を集め、組織化し、それなりの部門に育て上げるには資金と年月がかかります。

そんな時、そのような部門を持った会社が、あるいは事業部門を持った会社があるとしたら、経営者は迷うことなくM&Aを持ちかけると思います。何故なら社内外から人材を集め、組織を作り、部門として育て上げるには資金と年月がかかりすぎるからです。それにそのレベルまで育つかどうかのリスクも考えなければなりません。昨今の技術の進歩スピードはめざましく早くなっています。部門育成のために時間がかかりすぎると、競合他社に後れを取り、取り返しのつかない事態を招きかねません。

例えば「新規分野進出」を目的としM&Aを行えば、その分野に合致した人材を確保できます。買収する企業の営業先をそのまま引き継げます。必要な生産設備も引き継げます。人材を確保でき、顧客の獲得もでき、生産設備も使え、短期間で部門の強化拡充、あるいは新規分野進出ができることになります。これを土台にして自社独特の部門に育てていけばいいのです。

また、自社のこの部門の組織拡充を目的にM&Aを行うとしたら、その部門の人材の層を厚くできます。層が厚くなれば余力ができ、新規開発等に人材の配置ができることになります。

インターネット時代では、ITで起業し、M&Aで周辺分野に進出し、短期間に大きくなっている成功企業がたくさんあります。業界で一時期話題になていましたが、某社のオーナーは、ネット界で異色のビジネスを目にすると、もう次の日には買収するためにその会社を訪問したそうで、この繰り返しで、企業力をつけて行かれたそうです。

M&Aを成功させるためには、買い手側は自社の足りない部分を補う、充実強化する、あるいは自社が持ってない有望分野、新規分野へ進出するといった目的と強い意志が必要だと思います。買収時期もそに事業が「旬」の時に買収するというのが多いようです。もちろん市場が成熟化した段階で業界を整理統合するといった生き残りでの買収もあると思います。

売り手企業のM&Aのタイミング

売り手側は、より高く売るためには、企業価値が高くなっている時期、一番儲かっている時期、手放したくない時期がM&Aの「旬」の時期と言えると思います。

後継者がいなくて廃業するくらいなら、M&Aで有能な第三者へ承継したほうが事業や従業員の存続ができると考える、どちらかというと消極的M&Aを目指す場合も、高く売るためには企業価値を高めておく必要があります。

このためには、準備期間が必要で、長期的に考え、対処していく必要があると思います。

企業価値というと難しく考えてしまいがちですが、要は、儲かっているほうが高く売れますし、借金がないほうが高く売れます。不良資産がなく、優良資産が多いほうが高く売れます。有名な製品・商品を持っている、高品質の製品を作っているほうが高く売れます。質の高い人材が多いほど高く売れます。有望分野で営業している、お得意先が優良企業が多い場合のほうが高く売れます。

でもこれらを確立していくには一長一短にはいきませんし、すべてをいっぺんに実現するのは大変だと思いますから、この中で自社で確立しやすい項目をいくつか絞り、高めていき、それが実現したら次の項目を高めていくといったやり方のほうが現実的だと思います。要は後継者がいないからといって手は抜けないということだろうと思います。日頃からの経営努力が大事だということだと思います。

日々これらの項目を念頭に置きながら業務判断・意思決定をしていけば必ず実現できると思います。

M&Aで高く売れるということは、その企業が世の中に必要な企業であること、認められている企業の証であることだろうと思います。たとえ後継者がいなくて、消極的M&Aをせざるを得ないという場合であっても、常に企業価値を高めていかなければならないということだろうと思います。

M&Aで会社や部門をより高く売却しようと思うならば、それが旬の時、手放すのは惜しいと思う時期が絶好の売却タイミングだということはわかりましたが、これまた大変難しいことだろうと思います。企業業績が良いと良いで、「もう少し続けてみよう」というあきらめきれない煩悩が沸き上がってくるからです。

「株」をやっている人は、この心境が良くわかると思うのですが、株価上昇の過程で、今が売り時ではないかという考えと、いやもう少し上がるかもしれないという考えが交錯し、売り時を間違えてしまうことが多々あります。株価下降過程でも、今売らなければもっと下がりそうだという考えと、これ以上下がらないだろうという考えが交錯し、迷っているうちにズルズルと下がり、購入価格を割り込んでしまい、今度は売るに売れなくなり、塩漬け状態になることがあります。特に素人は、損をしても売るという「損切」ができないために塩漬け状態にしてしまうことが多いようです。

よく、「損切」できない人は「株」はやらないほうが良いと言われていますが、一理ある言葉だと思います。

M&Aの場合、株ほど頻繁に企業価値が上がったり下がったりすることはないと思いますが、こと売り買いの決断となると、迷いが出てくるものと思います。努力により、利益が出始め、従業員の士気も高く、客先の信頼も厚くなっている段階で売却するということは、水を差すようなもので、経営者としては耐え難いところだろうと思います。

しかしながら今は良くても、後継者がいなくてズルズルといき、ついには廃業してしまうことになるかもしれませんので、優良な買い手が引き受けてくれる時期に思い切るのも一つの方法だと思います。優良な買い手が引き受けてくれれば、事業は安定的に継続し、事業規模はおおきくなり、従業員の活躍の場も広がるかもしれません。給与体系も買い手側の給与体系に近づき上昇するかもしれません。経営者として老後の資金の足しとなるお金が残るかもしれません。これらを考えると、後継者がいなくてやる気がなくなり、業績を悪化させて廃業するよりも、経営者として最後のひと花を咲かせるべく努力し、よりよい条件でM&Aし、第三者への事業承継を図ったほうがより充実した人生になると思います。

以下に買い手を見つけやすい「M&A支援企業」を列記しておきましたので、役立ててください。

 

 

WEBサイトM&A支援 「M&A【サイト売買Z】」

M&Aトップページ

PR-GO!GO! HOME

コメント

タイトルとURLをコピーしました